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Channel: 精神科医の犯罪を問う
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またもや凶悪事件

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5人を手当たり次第に殺害する事件が起きました。

その犯人と思われる人物について、このような情報も入っています。
http://mainichi.jp/select/news/20130723k0000m040072000c2.html
近くの人の話では、男は一人暮らし。「薬を飲んでいるから10人や20人殺しても罪にならん」などと話したことがあるといい、周囲の人は男を怖がっていた。


手当たり次第に殺害するという行為について考えてみましょう。それは、単に口にするのと実行するのとでは大きな開きがあります。

ある人はそれを口にします。ある人は頭の中でそうしたいと思います。しかし普通はそれだけです。理性が働くからです。それを実行に移すには、理性のタガを外さないといけません。

たとえば、脱抑制という言葉を調べてみましょう。「状況に対する反応としての衝動や感情を抑えることが不能になった状態のことを指します。」と書かれています。これは向精神薬の影響下でも起こります。

向精神薬の副作用には「激越」「衝動性亢進」「易刺激性」というものもあります。その結果、暴力事件や殺人事件へと発展することもあり得ます。

もしも皆が感情の赴くままに他人に対して敵意をむき出しにし、気に入らない人間を簡単に殺害するような世の中を考えてみて下さい。文明は一瞬で滅びます。もちろん、誰にだってイライラすることはあります。他人を責めたくなることもあります。しかし、それでも感情を抑えたり、コミュニケーションを取って解決したりするのは、ひとえに人間には理性があるからです。文明、社会が形成されるのもそのためです。

しかし、それを完全に破壊するのが、最近流行の無差別殺人です。これは、人間にとってこの上ない脅威です。しかも、なぜこのような現象が起きるのか理由がわからないことで、さらなる恐怖となっています。人間にとって、理由がわからない脅威(=ミステリー)ほど恐ろしい物はありません。カミナリの正体がわからない時代、人間がどれだけカミナリを恐れたのかを想像したらわかるでしょう。

人間は、ミステリーに遭遇すると、説明のつかない空白をとにかくデータで埋めようとします。そのデータが正しいのか正しくないのかは関係ありません。とにかく理由付けしなければこの上ない脅威であり続けるからです。そして、人間はしばしば誤ったデータを採用し、空白を埋めます。

かつて、精神科医は精神障害者のことを犯罪者や平和と文化の妨害者とし、その恐怖を煽りたてました。戦後混乱期の犯罪多発は、精神障害者が野放しにされているせいだとする誤ったデータで埋められました。その結果、精神病院が乱立され、日本は世界に類をみない精神病院大国となりました。心神喪失者等医療観察法が成立した経緯も似たようなものです。大阪児童殺傷事件の恐怖がそれを後押ししました。

最近多発する無差別殺人や説明不能な凶悪事件は、一般人にとって完全なミステリーです。その空白を埋めるかのように、精神障害者を野放しにするな、精神病院にぶちこめ、などという論調が再び起こっています。人々は、あまりにも理解不能な事件が続くあまり、精神障害者だから犯罪を犯すのだと無理にでも納得しようと強迫観念に駆られているのです。

しかし、現象には必ず理由・原因があります。その原因とは、「心の闇」「精神障害」というあいまいなものではなく、もっと具体的なものです。向精神薬は必ずしもその原因となるわけではありません。しかし、現象を説明するためにも、その影響を最初に評価すべきものです。なぜならば、向精神薬の害作用として、理解不能な行動を引き起こすことが既に明らかになっているからです。

この男にはどんな治療がされていたのか、どんな薬がどのように処方されていたのか、薬の増減と男の行動にどのような関連があったのか、などを具体的に調査すべきです。

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